ブックタイトル甲斐日産60th

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概要

甲斐日産60th

新たな価値観の模索 日本は人口減少時代に突入し、若者の車離れに歯止めがかからないという、自動車業界はかつてない厳しい局面を迎えています。私たち自動車ディーラーはこれまで新車販売とアフターサービスを事業の柱としてきました。しかし、車の保有台数が減少する上に、今後需要が伸びる見込みの電気自動車はオイル交換の必要が無く、使用部品の数も従来のガソリン車の半分くらいの少なさなので、部品交換の回数も減っていきます。つまり今までのビジネスモデルを続けていくだけでは難しくなってくるので、新たな抜本的な対応策を講じていく必要があります。自動車販売を生業とし、信頼を築いてきた甲斐日産としては、まずは車からスタートし、そこから付随して周辺の分野へ拡げていき磨いていくというのが妥当な方法だと思います。電気自動車というのはとても大きな可能性を秘めた、いわば走る電池です。リーフは40キロワットアワー或いは62キロワットアワーもの電池を搭載しており、これは家族が自宅で3~4日くらい生活できる電力量です。それを積んで移動できるとなると、単なる車としての用途以外にも様々な活用方法が考えられます。しかも電力は太陽光や風力など自然の力で生み出せるエネルギーである上、昨今は蓄電技術もかなり向上してきています。リーフは例えば行政と連携して災害時に避難所で電力を供給するといった役割も果たせると思います。一般家庭でも家電の範囲で考えると電池の様々な利用法が今後提案されていくでしょう。そのように他の事業とのパッケージなど、様々な選択肢がどんどん拡がっていく可能性がリーフにはあるので、我が社の事業としての新たな価値観を模索する意味でも、今後も注目していきたいです。社員は会社の財産 人材の確保というのはどの業界でも難しくなってきています。山梨県は他県と比較してやや人材におけるダイバーシティーが進んでいない印象があり、それは我が社も同じだと思います。これからは女性、シルバー世代、外国人の方々に、どう活躍していただくかがカギとなるでしょう。 そして働き手に選ばれる企業になるための努力は欠かせません。社員に会社に対するロイヤリティを求めるのではなく、社員が素直にこの会社に勤めて良かったなと思えて、家族も甲斐日産で働いていることを誇りに思ってくれるような企業を目指すべきです。そこで我が社ではES(従業員満足度)の要素として、給料が高いだけでなく、早く帰れる、しっかり休みが取れるという点を重視しています。もちろん時期的にどうしても繁忙期はありますが、前もって「この日は7時半まで残業を頼む」と伝えておくようにしています。若い社員が彼女とデートの約束もできないような会社はダメだということです。今回会社創立60周年未来を語る甲斐日産自動車株式会社代表取締役社長 井上 俊和甲斐日産の70 | KAI NISSAN 60th Anniversary