ブックタイトル甲斐日産60th

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概要

甲斐日産60th

まだまだチャレンジする価値がある田中 これから人口が減り、老人の割合はますます高くなっていきます。高齢者の免許証返却を呼びかける声も大きくなっていますが、車はこれからますます自動化が進み、高齢でも安心して運転できるようになると私は期待しています。しかし人口が減っていくと車産業が縮小するのはやむを得ない。頂点を過ぎた産業になってきていると思います。住吉 メーカーは海外で需要を拡大できますが、内需は減少を避けられない状況ですね。田中 だからこそ新しい価値を提案していくことが必要だと思います。例えば高齢者向けの自動運転や、過疎化が進んだ地域の普段の足としての自動運転の車など。ディーラーの仕事はその辺まで領域を広げていかなければなりません。社会的貢献に取り組むことが、ディーラーの存在価値につながっていくと思います。住吉 すぐに結果や効果がでるものではありませんが、これからはそういう取り組みが大切だと思います。それには自動運転のさらなる進展、技術のますますの発展は不可欠ですね。田中 日産は電気自動車のトップランナーを保ちつつ、現在、高速道路上でのレーンキープ・速度や前の車との距離制御は自動運転化しています。私もリーフに乗っていますが、高速での運転は本当にラクになりました。さらにレーンチェンジまでできる機能も、この先装備されてきます。その次のステップとして高速を降りてからの一般道でも自動運転ができるようになってくるでしょう。井上 この業界は今100年に一度の大変革期を迎え、ディーラーのあり方も難しいものになろうと思われます。しかし振り返ると、時代の変化は説明できますが、まだ到来してない未来はどの時代でも不透明で不安、しかし期待も大きいと把えるべきでしょう。あと4、5年でさらに技術は進化していくでしょう。高齢者だから免許証を返さなくてはというのは時代遅れになるかもしれません。田中 国も自動運転の車を買うなら補助又は減税するという政策を打ち出してほしいですね。また自動運転の開発も含め、これからの車をつくるのはメーカーですが、販売するディーラーがもっと力を持っていいと思います。今は家電をはじめ多くのものは量販店が主流となっていて町中の系列店は姿を消し、メーカーは量販店にうちの商品を売ってくださいとお願いしています。でも車の販売は日本はもちろん、アメリカでもヨーロッパでも系列というスタイルは崩れてなく、販売店がしっかり支えています。しかしそのディーラーの立場が弱すぎます。ディーラーとメーカーが共栄関係を大切にし合うことが一層重要になるでしょう。そして自動車産業は今、自動化、電動化、IT化、共有化という100年一度といわれる波がきています。我々も「まだまだチャレンジする価値がある」という意識を共有し前に進んでいきたいと思っています。今回、創立60周年を記念してのスペシャルインタビュー企画は、社外取締役の井上雅雄さん、甲斐日産OBの住吉 譲さんにお忙しいところ甲斐日産本社へお越しいただき実現することができました。貴重なお話をたくさん伺うことができ、甲斐日産が60年歩み続けてきたことの重み、尊さを改めて認識し、より深く誇りを胸に刻む機会になりました。心より感謝申し上げます。ショールームで日産車をチェックする井上さん現役の営業マンと話が弾む住吉さんKAI NISSAN 60th Anniversary | 19