ブックタイトル甲斐日産60th

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概要

甲斐日産60th

社外取締役井上雅雄さん、甲斐日産OB住吉譲さんが当時を懐かしく語る田中好輔会長が聞くス ペシャルインタビュー合いが必要ですね。それから今はショールームに来てくださるお客様への営業が主流ですが、商業車については出向いていかないと伸ばしていくことは難しいものです。飛び込み営業は大変なものですが、商業車の営業ももっと力を入れてほしいと思います。田中 テーマとして抱えていますが、飛び込み営業というのはなかなか難しいものですね。住吉 創業して間もない頃、私たちにはユーザーがいなかったので営業はすべて飛び込みでした。飛び込み営業は考え過ぎてしまうとできないものです。たまたま飛び込んだ店の人が別の会社を紹介してくれて、それまで取引のなかった会社がすぐにセドリックを買ってくれたなんてことも私はありました。自分の足で歩けばそういうことにも巡り合えます。それも営業の面白さだと思います。田中 足で稼ぐ営業スタイルは交通渋滞や交通事故などの危険が指摘されるようになり、また時代とともにチャイムを鳴らしても玄関を開けてくれるお宅がほとんどなく、効率的に限界ということで、お客様に来てもらえる魅力的な店づくりの方にシフトしてきました。その結果、多くのお客様に来ていただけるようになり、それがあたり前になっていますが、お店に足を運んでくださることの少ない商売筋や法人筋のお客様への対応は手薄になっていることは否めません。バランスが大事ですね。お店や会社にはこちらからお邪魔させていただくことが大切だと思います。住吉 大きな会社などは競合相手もいるので難しいと思いますが、ショールームでの個人のお客様への営業だけでなく、企業や店に出向いての営業も積極的に取り組み、両輪で頑張っていってほしいと思います。近江商人の三方よしの理念に学ぶ田中 私が経営に参画するようになった時には、すでにバブルも弾け、山梨日産との統合も成された後でした。その頃は消費税が3%から5%に引き上げられ、車の売れ行きがとても悪かった。統合して膨れ上がったままの人数を抱え、人減らしをしなければいけないというような状況でした。でもそれから20年経って今振り返ってみると自然に減っていったという印象もあるんです。井上 やはり田中さんが日本興業銀行で多くのことを経験されて当社へ来られたということが大きかったと思います。田中 これからの時代は血脈で繋ぐのは難しく、ある程度分かっている人にリーダーシップをとってもらう方法しかないと思います。江戸時代に近江商人がモットーとしていた「三方よし」という経営理念があります。三方とは売り手、買い手、世間を表し、売り手と買い手が共に満足し、さらに社会貢献もできることが良い商売のあり方だという考え方です。私は甲斐日産版の三方よしは、「社員よし、お客さまよし、会社よし」だと考えています。社員は一番の根っこで大事です。そしてこちらの都合だけでなく、本当にお客さまが求めていることをどれだけ察知し提案できるか、それは本当に難しいことですが、真心を尽くしてお客さまの懐に飛び込んでいくことが目指すべき姿勢です。井上 ディーラーはメーカー次第という難しい部分もありますが、甲斐日産は社員みんなの会社という立ち位置を守りながら、メーカーとは対立ではなく協力軸で対峙していけば良いと思います。18 | KAI NISSAN 60th Anniversary